「キル・ビル2」
−KILL BILL Vol.2−
 
 
 
副題に「ザ・ラブ・ストーリー」とある。
ポスターがウェディング・ドレスを身にまとったユマ・サーマンが半蔵の名刀を構えているというもの。
実際にはそういうシーンは出てこないのだが、この遊び感覚(?)こそがこの映画の真骨頂である。
vol.1を見てから本当に待ち遠しくて、今回は公開日(2004.4.24)に見に行ってしまった。
前作は目を背けたくなるようなバイオレンス・シーンが多くて、その点ではちょっと閉口していたのだが、
今作は、さすがラブ・ストーリーだけあって、残虐シーンはグッと少なくなっている。
そればかりか、作品の趣さえも違って、前作の続編でもあり、また別の映画のような雰囲気も味わえた。
相変わらずなのが、タランティーノ監督のこだわりぶりである。
特に今回は、クンフー映画とマカロニ・ウェスタン映画へのオマージュが色濃く出ていて、
映画ファンにはたまらない魅力でいっぱいだった。
オープニングのモノクロのドライブシーンなんかは、ヒッチコック映画そのものだったし…、
「お〜、これこれ!」って感じで、ワンシーンごとにすべてが愉しめる映画である。
 
と書きつつ、実は、この作品の魅力を語るのは難しい。
不思議なのである。
まるでB級映画というタッチでありながら、超一級のエンターテーメント。
こんな映画は、見たことがない。
 
「主人公ブライド役は、ユマ・サーマンでなければならない」と監督がこだわるように、
主人公の魅力がスクリーンいっぱいに映し出される。
いわゆる「絶体絶命」的な極限状態に何度も遭遇するブライドが、
決して諦めることなく生き延びていく物語。
それは「強い女」や「怖い女」ではなく、「健気な女」なのである。
やっていることは残虐な復讐であるのに、つい応援したくなるブライドの魅力は、この映画の生命線でもある。
 
そして、クライマックス。
いろいろなナゾが、次々と明らかになってゆく。
まさに、ラブ・ストーリー。
こんな映画(笑)でありながらも、結構、感動してしまう。
やはり、タランティーノ監督は、スゴイ!
「映画ってやっぱり愉しい」ということでも、しみじみ感動してしまった。
 
 
 
DATA
アメリカ映画/2004年/監督・脚本(クエンティン・タランティーノ)/
製作(ローレンス・ベンダー)/製作協力(ディード・ニッカーソン/前田浩子)
武術指導(ユエン・ウーピン)/
出演(ユマ・サーマン、デヴィッド・キャラダイン、マイケル・マドセン、ダリル・ハンナ)