「アイアン・ジャイアント」
−The Iron Giant−
 
 
 
体長15mの戦闘ロボット「アイアン・ジャイアント」と9歳の少年ホーガース・ヒューズとの
心温まる友情を描いたアニメーション作品。
ジャパニメーションの緻密なデザインと比べれば、一見見劣りする漫画チックなデザインなのだが、
物語の方はなかなかスバラシイ!
 
1954年。時代背景にあるのは、冷戦時代なのだそうだ。
特にそういう説明もないが、核爆弾やミサイル、宇宙ロケットなどさまざまな兵器類が
相次いで開発されていった時代の混沌とした緊張感が漂う中、戦闘ロボットが空から落ちてくる。
その第一発見者がホーガース少年で、ふたりの交流を軸に、
やがてロボットの存在を嗅ぎつける政府の捜査官が登場、
結果的に国防軍がひなびた町に押し寄せてくるという流れでわりとスリリングな展開である。
 
アイアン・ジャイアントに象徴されているものは、まさしく武器そのものであり、
あるいは敵国であり、戦争なのだろう。
大人から見れば「悪」でしかない戦闘ロボットが、純朴な少年の目から見れば「カッコイイロボット」である。
突然空から落ちてきた巨大な戦闘ロボットと、ごく普通の好奇心旺盛な少年が
どのように友情を育んでいくかがカギになってくる。
言い方を換えれば、冷酷な敵国と思しき国、ブッシュ式に云えば「悪の枢軸」と
どのように手を結んでゆくのかという普遍的なテーマにもつながってくる。
9歳の少年が見逃さなかったのは、ロボットが見せたほんの少しの優しさだった。
「悪」が「友」になっていくことに大人はハッとさせられ、
そのロボットが最後にとった行動に胸を熱くしてしまう。
 
とてもよくできているなぁと思うのは、ラストシーンと思ったあとにさらにエピソードが続き、
もう1度ラストシーンがあるところ。
「ええ話や〜」と思わず、拍手したくなる結末は、見てのお楽しみ。
アメリカの良心を久しぶりに感じるなかなかの名作!
 
 
 
DATA
アメリカ映画/1999年/監督(ブラッド・バード)/製作総指揮(ピート・タウンゼント)/
製作(アリソン・アベイト、デズ・マッカナフ)/脚本(ティム・マッカンリーズ)/
音楽(マイケル・ケイメン)/原作(テッド・ヒューズ)