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「イップ・マン」
−葉問−
イップ・マン(ドニー・イェン)は、中国武術・詠春拳の達人。
ブルース・リーが正式に教えを受けた唯一の師匠として知られる実在の人物である。
1950年の香港は、イギリスに統治されていた。
広東省沸山から家族とともに移住してきたイップ・マンは、
この地で詠春拳の武館を開くことにする。
しかし、当時の香港には様々な門派がしのぎを削り合い、
いわゆる道場破りなどの争いが絶えなかった。
また、武館を開くためには、地域を仕切る洪拳の師範、ホン(サモ・ハン・キンポー)の許しが必要だったが、
そこには各派の師範らに打ち勝つという厳しい掟が課せられていた…。
物語はやや荒唐無稽ではあるが、ぐいぐいと引き込まれてしまう。
それはドニー・イェン演じるイップ・マンの優しい風貌や家族や弟子を愛する穏やかな人柄と相反し、
不正に対しては毅然とした態度で立ち向かい、
「争わないために闘う」姿勢が魅力に満ちているからだろう。
ホン役、サモ・ハン・キンポーの存在感もなかなか凄味があった。
各派から金を巻き上げる悪党ではあったが、物語が進むにつれて、家族を愛し、
植民地下での武館の存続に尽力する一面をみせるなど、奥行きのある人物描写がよかった。
本作は、ブルース・リー生誕70周年に当たる2010年4月、香港で公開されるや爆発的にヒットし、
2010年香港映画興行収入第一位を記録している。
日本では単館上映であったが、観客動員が5000人を超えたら、
前作にあたる「イップ・マン/序章」を公開することになっていた。
そして、2月12日、ついに5000人を達成したようである。
「その心と技は、ブルース・リーに受け継がれた…」
それが、本作のキャッチコピーである。
それゆえに、ラストシーンがなかなかよい。
新宿武蔵野館
DATA
香港映画/2010年/109分/
監督(ウィルソン・イップ)/アクション監督(サモ・ハン・キンポー)/
音楽(川井憲次)/
出演(ドニー・イェン、サモ・ハン・キンポー、ホァン・シャオミン)
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