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「英雄」
−HERO−
中国映画界の巨匠、チャン・イーモウ監督の最新作!
チャン監督といえば、「あの子を探して」「初恋がきた道」「至福のとき」とヒロインを主人公にした作品、
いずれも秀作名作ばかりを撮ってきたが、これにて少女編3部作を終えて、
「武侠映画は長年の夢」だったと初めて撮った武侠物が「英雄」である。
主演のジェット・リーは、「少林寺」でデビューした頃はリー・リン・チェイという名でクレジットされていた。
幼年期より武術を学び、中国全国武術大会総合優勝など数多くの経歴をもった俳優で、
その演技は、美しく、まさに芸術の域である。
このジェット・リー扮する刺客、無名(ウーミン)が秦の皇帝の拝謁を許されるというくだりから物語が始まる。
ときは、紀元前200年、秦王(のちの始皇帝)は、圧倒的な戦力により各国を殺りくし尽くし、
そのことにより数多くの刺客に狙われていた。
悪の権現のように恐れられる秦王だが、その心の奥にあるものは、意外にも天下泰平であった。
(余計なことだが、泰平の「泰」は、秦王の「秦」と形が似ている)。
そのことを知る残剣(ツァンジェン)と彼の相棒飛雪(フェイシェ)と主演の無名(ウーミン)と、
みなそれぞれが途轍もなくスケールの大きな人物なのである。
家族を殺された恨み。
個人のそういった私情を上回るほどの境地をこの作品は描いている。
その心を知る者こそが「英雄」であると。
この映画は、ややもすると、アクションの激しさや神秘的な映像美に魅せられて終わってしまうかもしれない。
私自身、1回目はそういった表面的な部分しかわからずに見終えてしまった。
しかし、チャン・イーモウである。
悔しくて、もう一度、今度は真剣にいろいろ想像しながら一生懸命に観た。
それで初めて、例えようもない感動を受けた。
大陸的なあまりにもスケールの大きな、奥深さのある作品なので、
ぜひ、いろいろな人に観てもらいたいと思ふ。
DATA
中国映画/2002年/監督・脚本・原案(チャン・イーモウ)/
脚本・原案(リー・フェン、ワン・ビン)/アクション監督(トニー・チン・シウトン)/
出演(ジェット・リー、トニー・レオン、マギー・チャン、チャン・ツィイー)
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