「ゴーン・ガール」
-GONE GIRL-
 
 
 
予告編は否が応でも目にしてしまう。
結婚5年目に妻が失踪、他殺の可能性、犯人は夫か?
予告編だけでも大まかな流れが掴めてしまい、謎解きの面白さが半減してしまう。
と思いきや、今作に関しては、予告編の見せ方も周到に練られており、
気持ちよく騙されてしまった!

デヴィッド・フィンチャー作品は、ここのところ絶好調である。
「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」(08)、「ソーシャル・ネットワーク」(10)、
「ドラゴン・タトゥーの女」(11)」と、どれも見応えのある傑作が続いている。
今作も期待を裏切らない見事な出来といえよう。
ネタバレ厳禁の作品なので、見る可能性のある人は、以下、御用心!
 
舞台は、ミズーリ州の閑静な住宅街。
ニック(ベン・アフレック)は妹とバーを経営し、妻のエイミー(ロザムンド・パイク)は作家である。
大恋愛で結ばれた美男美女が、何不自由なく暮らしていた矢先、エイミーが失踪する。
部屋が荒らされており、事件に巻き込まれた可能性が濃厚だった。
被害者の夫は同情を集め、多くのボランティアがエイミーの捜索に協力してくれるが、
一方で、警察は夫を犯人と疑い始める。
夫にも妻にも秘密があることが徐々に明らかになり、謎解きの過程がとてもスリリングで楽しめる。
フィンチャー監督のダークな画づくりは一層美しく、会話のセンス、話のテンポもよく、
一瞬たりとも飽きることはない。
 
被害者だったニックが一転して容疑者になると、メディアの扱いが激変するが、
さらにTV番組で世論を味方につけるとまた一変してしまう様子をみていて、
昨年のSTAP細胞にまつわる顛末を思い出してしまった。
劇中にも出てくるが、意図的に撮影した個人的な画像がネット上に公開されると、
それが大衆の関心をひく話題であれば、情報の質は問われないまま、
あっという間に拡散、炎上してしまう。
前々作の「ソーシャル・ネットワーク」でFacebookを題材にしたように、
今作でもソーシャル・メディアの光と影が描かれ、見所になっている。
SNSの大海原を快適に泳ぎ切る自信も暇もないので、個人的には利用を控えているが、
人間らしさが垣間見えるので、興味深い世界ではある。
 
後半、物語は意外な方向へと向かう。
そして、誰もが驚く結末が待つ。
「ちょっと、それはないだろう?」という感じもあるが、
犯行の全貌がわかったところで、最大の謎が残ってしまう。
それが、「結婚」。
全てわかり合わなくても、むしろいいとさえ思うけど、
それが男の独りよがりなのだろうか…。
 
 
 
新宿バルト9 
 
DATA
米国映画/2014年/149分/デジタル/
監督(デヴィッド・フィンチャー)/脚本・原作(ギリアン・フリン)/
製作(アーノン・ミルチャン他)/音楽(トレント・レズナー&アッティカス・ロス)/
出演(ベン・アフレック、ロザムンド・パイク、ニール・パトリック・ハリス)/
字幕(松浦美奈)