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「グラディエーター」
−GLADIATOR−
2000年、アカデミー賞5部門(最優秀作品賞、主演男優賞ほか)受賞の話題作である。
が、公開時は、あまり観る気がしなかった。
ローマ帝国という時代背景も古くさいし、壮絶な戦闘シーンも今さら珍しくないし、
別に見なくたって損はしない、と思って見なかった。
ところが…。
借りるつもりのビデオがレンタル中で、他のものをと物色中にたまたま目について借りたわけである。
そしたら…。
ローマ時代の重厚な戦闘シーンから始まるなりグイグイ引き込まれ、
数奇な運命に立ち向かう男アエリウス・マキシマスの壮絶な生き様に2時間半息つく間もなく手に汗握り続け、
最後には涙を堪えるのが精一杯という大感動モノであった。
改めて調べてみれば、監督は「ブレードランナー」「エイリアン」「ブラックレイン」のリドリー・スコットである。
スリリングなストーリー展開にはさらに磨きがかかり、また一つ代表作ができてしまった感がある。
また、今作品でアカデミー主演男優賞を受賞したラッセル・クロウは、
「L.A.コンフィデンシャス」で見せたクールでタフな役柄同様、
マキシマスはまさにハマリ役で納得、最高のキャスティングであった。
舞台は、紀元180年のローマ。
主人公のマキシマスは農家出身でありながら、ローマ軍の優秀な将軍であった。
「戦争が終われば妻子の待つ故郷へ帰る」
この静かなる熱い「想い」が物語の冒頭からラストまで貫かれているテーマである。
自身の活躍で戦争に勝利したマキシマス将軍は、ようやく故郷への帰還が近づいたかに思われたが、
物語は思いもよらぬ方向へと展開してゆくのだった…。
グラディエーターとは、「剣闘士」のこと。
古代ローマで剣闘士同士や猛獣との死闘が始まったのは紀元前264年のことだそうだ。
はじめは宗教的な意味合いがあったが、その後見世物として定着し、約800年ほど続くことになる。
剣闘士は過酷な鍛錬を重ねたうえ、最後は仲間同士で殺し合うという非情な運命を背負っており、
自ら命を絶つ者も多数いたそうである。
「こうした残酷な文化が、なぜローマ帝国で栄え、ローマ市民を熱狂させたのか?」
スコット監督は、次のように語っている。
「古来からエンターテイメントは、時の指導者が虐待する民衆の気をそらす道具として使われてきた」と。
この映画は、剣闘士が殺し合うというローマ帝国の野蛮な側面に光を当てながら、
人間が求めてやまない富や名声や人望、愛情、信頼とは何か、克明に描いている。
そして、2000年後の現在、果たして我々人類は進歩し得たと言えるのか、と問いかけてくる。
これは見なきゃ損する、そういう映画でした。
DATA
アメリカ映画/2000年/監督(リドリー・スコット)/
製作総指揮(ウォルター・パークス、ローリー・マクドナルド)/
製作(フランコ・ラスティグ)/脚本(デビッド・フランゾーニ、ウィリアム・ニコルソン)/
出演(ラッセル・クロウ、ホアキン・フェニックス、コニー・ニールセン)
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