「ガール・オン・ザ・トレイン」
-THE GIRL ON THE TRAIN-
世の中は、公開から3ヶ月が過ぎてなお「君の名は。」一色という感じである。
本作もほとんど話題になってないが、エミリー・ブラント主演と知って見ることにした。
主人公レイチェル(エミリー・ブラント)は、アルコール依存症である。
酒を飲むと荒れ狂い、果ては記憶をなくしてしまう。
そんなE.ブラントは見たくなかったが…(涙)。
離婚した夫トム(ジャスティン・セロー)は新たな家庭を築いているが、
彼女の方は、住む家もなく、友人宅に居候の身。
元夫にもかつて住んでいた家にも執着心が残っている。
職も解雇されたレイチェルは、昼間から酒を飲み、かつての通勤電車に乗って他人の生活を覗き見するのが日課。
「なんだ、この映画は?」という設定であるが、原作は世界中で1,500万部以上のベストセラー作である。
日々、彼女が電車から覗き見しているのは、「理想の夫婦」。
幸せそうな若く美しい女性(メガン)に自らを投影することが慰めになっていた。
そんな「理想の夫婦」の不倫現場をたまたま目撃してしまうという展開がまた凄い!
荒唐無稽ではあるが、ヒッチコックの「裏窓」的な面白さもあって、ぐいぐい引き込まれる。
この作品には、エミリー・ブラントを筆頭に3人の美女が登場する。
アナ役のレベッカ・ファーガソンは、「ミッション・インポッシブル/ローグ・ネーション」(15)のスパイ役である。
「理想の夫婦」のメガンを演じるヘイリー・ベネットは知らなかったが、注目の女優さんらしい
これに対して、男性陣の方は今一つパッとしない(あくまで個人的な好みだけど)。
そのアンバランスさが緊張感を生んでいたようにも思えた。
車窓からの眺めは、確かに楽しい。
とりわけ僕は、夜の集合住宅をみるのが好きだが、
そこから家族団らんの夕食風景などが感じられて、なんとなく嬉しくなる。
勿論、勝手な妄想と現実は違っていて、世の中のことを常に正しく見ることなど不可能だろう。
ネットの普及もあってあらゆる分野の膨大な情報が容易に入手できても、
それらはあくまで断片情報でしかない。
発信される情報は常に選別されているし、受信側にもバイアスがかかっている。
今作では、レイチェルを主に3人の女性の視点で描かれるが、
彼女らと一緒に観客も騙されていたことに気付いて初めて、目が覚める。
その辺り、ちょっと「ゴーン・ガール」(15)に似たテイストで楽しめた。
TOHO上大岡
DATA
米国映画/2016年/112分/ビスタサイズ/
監督(テイト・テイラー)/脚本(エリン・クレシダ・ウィルソン)/
原作(ポーラ・ホーキンズ)/製作(マーク・プラット,pga)/音楽(ダニー・エルフマン)/
出演(エミリー・ブラント、ヘイリー・ベネット、レベッカ・ファーガソン、ジャスティン・セロー)/
字幕(松浦美奈)
KINGS MAN