「ガープの世界」
 
 
 運命的という言葉に、結構弱い。
実際のところ運命みたいなことで、人の一生が決められてしまうとは思えないが、
何かしらの因果を感じないわけでもない。
いわゆる「御縁」というのは、確かにあるのではないか、と思う。
 この映画の主人公ガープもまた、なんとも数奇な人生を歩む。
死にかけた兵士を看護婦が犯し、その子供としてガープは生まれる。
大学ではレスリング部に入るが、そこの鬼コーチの娘をよりによって好きになる。
その娘が作家と結婚するのが夢だと言うと、早速、作家になってしまう。
息子が作家になったのを知ると、その母までが作家になって、
これがまた、息子以上の大ベストセラーになる。
本当に次から次へと目まぐるしく、運命に翻弄されていく物語。
 この映画をみた或る人は、「ガープみたいなタイプは一番嫌い!」と言ったが、
私は何とも好きである。
彼女に言わせれば、ガープって人はとても我が儘なのだそうだ。
ガープのように生きたいとさえ思っているのに、
その或る人は、そんな私と結婚しているのだから、やはり人生は運命なのである。
 ガープは、生涯、子供のように生きたともいえる。
我が儘かもしれないし、決して成功者でもない。
しかし、誰にも負けないくらい一途で、真っ直ぐで、いつまでも夢を忘れない人間だった。
要領よく生きるより、不器用でもそれでいいんじゃないかと、
この映画を見るたびに涙流しながら、思う。
 
 
DATA
アメリカ映画/1982年/監督(ジョージ・ロイ・ヒル)/脚本(ジョン・アービング)/主演(ロビン・ウイリアムズ)