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「スター・ウォーズ・エピソード3/シスの復讐」
−STAR WARS EPISODEV REVENGE OF THE SITH−
ジョン・ウィリアムスのテーマ曲とともに幕を開けるシリーズ最終作品、エピソードV。
この瞬間をどれだけ世界が待ち望んでいたか!
2005年6月25日の先々行ロードショーには、
1日でも早く見ようと集まった観客が劇場の外まであふれ出し、
他の作品にはない異様な熱気に包まれていた。
それは、1977年の「スターウォーズ」から足かけ28年にわたる長い伝説の「終わりの始まり」でもあった。
のっけから宇宙空間での激しいバトルが繰り広げられる。
特殊な力「フォース」を操るジェダイ・マスターのオビ=ワン・ケノービ(ユアン・マクレガー)と
弟子のアナキン・スカイウォーカー(ヘイデン・クリステンセン)が無数の敵を撃墜していく。
バズ・ドロイドの攻撃を受けるオビ=ワンをアナキンが援護する場面から、
アナキンのフォースが力を増し、そのパワーが師匠をもしのぐことがわかる。
オビ=ワンとの師弟愛がやがてシスの陰謀により引き裂かれ、
ジェダイ騎士のアナキンが暗黒に墜ち、ダース・ベイダーに変貌するまでが描かれる。
クライマックスの師弟対決が圧巻で、特にユアン・マクレガーの熱演が感動的だった。
ジョージ・ルーカス監督の言葉を借りれば、
「自分では善を行っていると信じている人間が、どのようにして邪悪な存在になってしまうか」
というのが、今作のメインテーマであろう。
「スターウォーズ」という一大叙事詩は、昔々銀河系の遙か彼方でこんな戦争がありましたとさ、
という「むかし話」である。
そこに登場するエピソードは、現代の戦争や政治の問題、恋愛ドラマとも通じて、
とても身近に感じられるからこそ面白い。
そして、シリーズ全体に通底する共通テーマは、実は「父親探し」なのではないかと思える。
のちにダース・ベイダーとなるアナキンには父親がいないし、
アナキンの子、ルーク・スカイウォーカーも父親の顔を知らずに成長する。
エピソードT〜Vでアナキンは、ダース・シディアス(イアン・マクダーミド)の元でダース・ベイダーとして生まれ変わるが、
その関係は父と子の関係に似ている。
また、エピソードW〜Yは、アナキンの子、ルーク・スカイウォーカーが、
父であるダース・ベイダーと戦い、父を悪の世界から取り戻す話である。
銀河系を支配する「父」を描きながら、現代のアメリカ、
もしくは世界に不在の「父」を追い求めているようにも考えられる。
今作のクライマックスで、いよいよダースベイダーが誕生する。
宇宙空間には、あの人工の星デス・スターや宇宙船スターデストロイヤーが出現し、
ボクたちが最初のスターウォーズでみた風景につながってきて、不思議な既視感をもった。
ルーカス監督のいう「パズルの最後の一片がはまり、スターウォーズのすべてがつながる」瞬間である。
「善を求めて悪に墜ちる」というエピソードVの命題は、エピソードYで答が出される。
それは悪を倒すだけでなく、ダース・ベイダーの中に残っている善の心を信じることで、
ダークサイドから彼を救出するというものだった。
ルーカス監督が銀河帝国に描いたこのシナリオが現代にも通じて欲しいような気もする。
ちなみにこれが最後になるせいか、監督自身もちょい出演している。
オペラハウスに登場するバロン・パパノイダという宇宙人の役だが、ボクは見事に見逃してしまった。
とにかく画面一杯に見所があるから、とても1度では全部を見尽くせない、
何度でも楽しみたい作品である。
DATA
アメリカ映画/2005年/監督・脚本・製作総指揮(ジョージ・ルーカス)/製作(リック・マッカラム)
出演(ユアン・マクレガー、ナタリー・ポートマン、ヘイデン・クリステンセン、イアン・マクダーミド)/
音楽(ジョン・ウィリアムズ)
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