「スター・ウォーズ・エピソード2/クローンの攻撃」
−STAR WARS EPISODEU ATTACK OF THE CLONES−
 
 
 
「遠い昔、遙かかなたの銀河系で…」
お馴染みの字幕とともにJ・ウィリアムズの音楽が始まるなり、
僕らはこの25年にも渡る長編映画の世界にスゥ〜と吸い込まれてしまう。
SFX技術は1作ごとに革新的に進化し、かつてない未体験ゾーンへ僕らを連れていってくれる。
その点でJ・ルーカスは、決して期待を裏切らない人である。
しかし、この作品の最大の魅力は、何といっても冒頭にある「遠い昔、…」、
という場面設定に尽きるような気がする。
数多くのSFファンタジーはあっても、「スター・ウォーズ」はやはり別格、と思った。
 
「1950年代に西部劇が消滅し、子供たちのために新しい神話を創りたかった」と、
J・ルーカスは、語っている。
その精神は、ルーカス監督が師事した黒沢明にも通じている。
「七人の侍」をモチーフに「荒野の七人」が作られたように、
「黒沢監督→西部劇→スター・ウォーズ」という図式が成り立つのである。
 
この作品の魅力は、しかし、実に多彩である。
1つには、人間の精神的な力を「フォース」というもので表現し、
物理的なテクノロジーだけの物語で終わらせていない点がある。
また、勧善懲悪のようでありながら、帝国軍と共和国それぞれの視点が描かれ、
観ている方は両方の立場をみることになる。
その象徴的存在は、ダース・ベイダー卿であろう。
どんな人も100%善人ではいられないように、
悪(ダークサイド)の感情に支配されていても、どこかで善の気持ちも残るものだという、
そういうどっちに転ぶかわからない複眼的なストーリー展開がスリリングであり、
僕らをワクワクさせ続けているように思う。
それからもう1つ特徴的なのは、「父から子へ」というテーマが、
エピソード全編を通じて根底に流れている点である。
これはまさにJ・ルーカスが子供らのための映画を創ると語っているとおり、
先人が次の世代に語り継ぐという人類のスタイルがそこにあるのだと思う。
そういう歴史観が土台にあるからこそ、僕らはこの物語に深く共鳴し、楽しめるのだと思う。
 
エピソードUを観ながら、前作「エピソードT」を思い、
また、その後につながる「エピソードW〜Y」を思い出すので、
僕の頭の中は壮大なスペース・ファンタジーですっかり満たされてしまった。
 
 
 
DATA
アメリカ映画/2002年/監督・脚本・製作総指揮(ジョージ・ルーカス)/製作(リック・マッカラム)
出演(ユアン・マクレガー、ナタリー・ポートマン、ヘイデン・クリステンセン)/音楽(ジョン・ウィリアムズ)