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「ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬」
−JOHNNY ENGLISH REBORN−
「Mr.ビーン」のローワン・アトキンソンの最新作は、スパイ物!
タイトルは勿論、「007/慰めの報酬」(08)をもじったもので、
007シリーズのエッセンスを効かせながら、面白可笑しい独自のコメディ世界が展開する。
「ゲット・スマート」(08)に通ずるテイストが2番煎じという気もしたが、
その出自は似て非なるものである。
60年代にアメリカで人気を博したテレビシリーズ「それゆけスマート」が原作の「ゲット・スマート」に対し、
本作は007シリーズを生んだ英国の作品である。
すでに1作目「ジョニー・イングリッシュ」(03)もあるが、今作で大幅にパワーアップした感がある。
とぼけた主人公が最新の秘密兵器を駆使し、本格的アクションと美女とのロマンスもあるスパイ映画、
という部分までは007的なのだが、
綿密に伏線の張られたストーリーには笑いが満載ってところに本作の醍醐味がある。
「ゲット・スマート」のスマートは、実はかなり凄腕なのだが、
イングリッシュはもう少しおっちょこちょい度が高く、ドジを連発する。
ここぞという場面での失態に見ている方はハラハラしながらイライラもしてくるが、
憎めないキャラゆえに彼をどんどん応援したい気持ちにさせるから不思議である。
単に変な顔をしているから可笑しいのでは、勿論ない。
変な顔といえば、志村けんの「バカ殿様」もまず顔で笑ってしまうが、
それだけならすぐ飽きられてしまうだろう。
よくよく計算された間の取り方や身体を使ったローワンの芸は、
チャップリンにも通じる古典的な笑いであり、
バカバカしいだけではない知性を感じる笑いといってもいい。
劇場に来ていた小学生らが、まさに冒頭からエンディングまでずっと笑い転げていたが、
本国英国でもローワンは子供たちに大人気だという。
「人の弱みを笑いのネタにする」ようなさもしさがなく、清々しい笑いが気持ちいい。
最新鋭のロールスロイスなど様々なスパイグッズをみるのも面白いし、
ちょっとしたロマンスやBGMの音楽もシーンにマッチしていて、
「映画をみたな〜」と心底満足できる作品である。
エンドロールになってもまだ席を立つのは早い!
彼女に料理を作ってあげるシーンがあるのだが、実に楽しげ。
こんな料理番組があったら、絶対に高視聴率だろうなって感じなのだ。
ダニエル・クレイグの007も続いて欲しいが、ジョニー・イングリッシュの続編も期待したい。
DATA
イギリス映画/2011年/101分/スコープサイズ/
監督(オリヴァー・パーカー)/製作(ティム・ビーヴァン、ライザ・チェイシン、ウィリアム・デイヴィス)/
原案(ウィリアム・デイヴィス)/音楽(アイラン・エシュケリ)/
出演(ローワン・アトキンソン、ジリアン・アンダーソン、ロザムンド・パイク)/字幕(石田泰子)
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