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「シカゴ」
−CHICAGO−
ミュージカル映画と聞いただけで、敬遠する向きもあるだろう。
何にしろ、登場人物が物語の途中で突如、唄い始めるのだから、面食らうのも無理はない。
そのつもりで観ていても、話の腰を折られたような気にもなる。
その点、「シカゴ」は違っていた。
唄の使われ方が斬新なのである。
主人公ロキシー(レニー・ゼルウィガー)の「妄想」という形で登場人物らが歌い、踊る。
このロブ監督のアイデアは実に素晴らしいもので、今までのミュージカル映画のもつ「唐突さ」がなくなり、
まったく違和感なく楽しめる手法である。
しかも音楽は、本場ブロードウェイ・ミュージカル界の重鎮、
J・カンダー&F・エップのコンビによるもので、本当に本当に素晴らしい!
1920年代、禁酒法時代のシカゴは、ニューオリンズに代わってジャズの中心地になっていた。
当時の雰囲気を再現したような、猥雑で洒脱なナンバーが次から次へと繰り出される。
オープニングの「オール・ザット・ジャズ」からまさに圧巻!
もともとミュージカル出身のキャサリン・ゼタ=ジョーンズの顔に似合わぬ太い声、
グラマラスかつしなやかな肢体に、ただただ目を奪われるばかりだ。
反対にミュージカル初挑戦で主役を務めたレニー・ゼルウィガーのキュートなしぐさ、声、
モンローを彷彿とさせる表情にもすっかりやられてしまう。
ブロードウェイの名振付家であるロブ監督の独創的な演出は、唄が物語の流れをへし折ることがなく、
「ミュージカル」と「映画」を実に巧みに融合させるもので、とても独創的である。
それでいてラストシーンなどは、ドラマのワンシーンであると同時に、
ミュージカル・ショーを観ているようでもあり、
実に贅沢な気分にひたれる。
最近のハリウッドは、SFXによる驚異的な視覚と大音響効果で圧倒させる大作が多いが、
今作のように、生身の人間がなす超人的な技に見入るのもなかなかいいなと思う。
「シカゴ」には難しい話もなく、肩の力を抜いて楽しめる超エンターテイメント作品でオススメ!
ちなみに、第75回米アカデミー賞で、最優秀作品賞など6部門を受賞しているが、
まさに納得の内容である。
劇場でその迫力を目の当たりにするのが○!
DATA
アメリカ映画/2002年/監督・振付(ロブ・マーシャル)/製作(マーティン・リチャーズ)/
作曲(ジョン・カンダー)/作詞(フレッド・エップ)/脚本(ビル・コンドン)/
出演(レニー・ゼルウィガー、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、リチャード・ギア)
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