「チア☆ダン」
女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話


「カラスの親指」(12)の能年玲奈、「鈴木先生」(13)の土屋太凰、そして、「海街diary」(15)の広瀬すず、
おまけに付け加えると、「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」(16)の小松菜奈といった具合に、
若手の実力派美人女優がどんどん出現している昨今である。
栄養状態とお化粧スキルが進んだせいでは説明しきれないくらい、美少女が日本中に増えている気がするのは、
単なる思い過ごしなのだろうか?

さておき今作は、今最も勢いのある若手女優の筆頭といえる広瀬すず主演である。
正直、今作を観ようと思った動機は、ほぼソレである(汗;)。
副題にあるように、実話ベースであるが、
矢口史靖監督のヒット作「ウォーターボーイズ」(01)や「スウィングガールズ」(04)っぽいという点で、
やや二番煎じ感もあり、広瀬すず主演でなければ、スルーしていたと思う。
しかし、見たらビックリ!
なかなかいいのである。
実話そのものが半端なく凄いこともあるが、物語の展開もドラマチックで、
登場人物らも魅力的で、ここぞというところの台詞もグッと突き刺さってくるものが多かった。
あとで調べてみれば、河合監督は「鈴木先生」(13)だし、脚本の林氏は「ゴールデンスランバー」や「永遠の0」ってことで、
かなり自分好みではあった…。

話自体は、よくあるサクセスストーリーといってしまえばそれまでである。
ダメダメな若者たちが鬼コーチのスパルタンな特訓で、
誰もが無理と思っていた全米制覇を手にするという話である。
もうそんな映画も小説も山ほど見てきたので、今更感はあったのだが、大いに感動した。
「広瀬すずが可愛かった」というだけではとても得られない大きなカタルシスを感じたのは、なぜか?

観ながら最も共感していたのは、天海祐希扮する鬼教師、早乙女先生だった。
今にして思えば、「演ずることも、社会で生き抜いていく上で力になることもある」と語った「鈴木先生」と似ている。
生徒たちに見せてる顔と裏の顔の両面があって、そうする必然性、自分の中での葛藤、ストイックさに心が動かされる。
突き詰めると、自分のためなのか、生徒らのためなのか、よくわからない勝負の世界で、
もがきながら必死で諦めない生き様に思わずエールを送る自分がいた。
そして、強く励まされている自分もいたのである。
チアダンスがそうであるように、今作は、観ている者を励まし、元気づける映画である。
自他共楽こそが理想と思うが、お互いが活きるチームを0から作るのは、並大抵のことではない。
しかしながら、挑戦しがいはあり、その達成感も幸福感も果てしなく大きなものになるのは間違いない。

「かつて頑張ったことがある人、今一生懸命な人には、きっと熱いものがこみ上げてくる映画になっている」
と天海さんが語っているが、それって、誰もが一度ならず経験していることだろう。
つまりは、万人が共感できる作品ということである。

それにしても、JETSは本当にすごい。
福井県立福井商業高校のチアリーダー部JETS。
2004年に赴任した五十嵐先生が前身のバトン部をチアダンス部に転向したのが2006年。
前田千代先生を招聘して、本格的な活動を初めてわずか1年後の2009年には、
全米チアダンス選手権のパフォーマンス部門優勝を果たす。
2010年以降は、チアダンス部門で5度も優勝している。
しかし、これを演技する女優陣もスゴイではないか!
ダンス初心者の広瀬すずは、撮影の半年前からレッスンをはじめ、
ときには1日6時間もの練習をしていたという。
たかが映画、たかが演技、されど、相当なものである。
彼女らを見習って、僕もしっかり働かなきゃ、と思う。


DATA
日本映画/2017年/121分/シネマスコープ/
監督(河合勇人)/脚本(林民夫)/企画プロデュース(平野隆)/
チアダンス振付・指導(前田千代)/音楽(やまだ豊)/
出演(広瀬すず、中条あやみ、山崎紘菜、天海祐希)
 

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