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「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」
−BVSC−
最近のキューバ・ブームの火付け役といわれるドキュメント映画である。
その昔、キューバ音楽の第一線で活躍していた老ミュージシャンを、
アメリカのギタリスト、ライ・クーダー親子が探し求め、
やがて10数名からなるビッグ・バンドを結成して、
アムステルダムやカーネギーホールやらでコンサートを開くまでが淡々と描かれる。
びっくりするような事件が起こるわけでもないのでやや単調ではあるが、
それぞれのミュージシャンが語る言葉には哀切と歴史があり、音楽がある。
沢山の登場人物の中でも、私はピアニストのルーベン・ゴンザレス(80歳)に魅力を感じた。
年齢を感じさせない熱っぽい演奏もさることながら、彼が弾くピアノの周りで、
子ども達がバレーや体操の練習している風景がなんとも微笑ましかった。
キューバ音楽というと、グロリア・エステファンが故郷への想いを唄った
「MI TIERRA」(1993)がかなりの話題になった。
このアルバムに参加したイスラエル・カチャーオ・ロペスは、この映画に出演しているカチャイート・ロペスの
叔父にあたる人で、共に名門ベーシスト一族である。
先月、カチャイート・ロペスのライブに行ってきたばかりなので、
その人を改めて映画で見ると、なんとなく不思議な気分になった。
この映画のヒットもあって、ミニシアター系ではキューバ映画が相次いで公開されている。
1つは、老ストリート・ミュージシャンが旅をしながら
各地でセッションをしてゆくロード・ムービー「キューバ・フェリス」。
やや単調ではあるが渋い映画で、2000年カンヌ映画祭にも出品されている。
もう1つは、実在する「トロピカーナ」というキャバレーを舞台にしたコメディ「ビバ!ビバ!キューバ」。
こちらは、ナンセンス・ギャグ満載の変則的ミュージカルなのだが、
キューバのお国事情なども絡められて、なかなか楽しめる1本でお薦めである。
DATA
ドイツ・アメリカ・フランス・キューバ映画/1999年/監督(ヴィム・ヴェンダース)/
製作(ライ・クーダー、ジュリー・ボーイズ)/出演(コンパイ・セグンド、エリアデス・オチョア、ライ・クーダーほか)
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