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「オール・ユー・ニード・イズ・キル」
-EDGE OF TOMORROW-
最近、見たい映画にホラーとSFが加わった。
どちらも今まではさほど興味がなく、ホラーなどは避けていたジャンルだ。
キッカケはスウェーデン映画「ぼくのエリ 200歳の少女」(08)だと思う。
人間の生き血を吸って生き続けるバンパイヤといじめられっ子少年の儚き小さな恋の物語。
これもまた究極の「愛と死」の姿なのだと引き付けられた。
一方、SFはそれなりには見てきたが、興味をかき立てられたのはトム・クルーズ主演の「オブリビオン」(13)だった。
2077年という近未来の地球を最先端のCGで見る楽しさもありつつ、
今作品では、「記憶」という切り口で人間の内なる宇宙へと入り込んでゆく面白さがあった。
そんなわけで、トム・クルーズ主演のSF大作「オール・ユー・ニード・イズ・キル」は是非とも見たかったのだが、
エミリー・ブラントが共演ということで期待値はさらにさらに高まった。
彼女は、「プラダを着た悪魔」(06)と「砂漠でサーモン・フィッシング」(12)のギャップでファンになってしまったのだが、
今作でも非常に重要かつ魅力的な人物を演じていて、期待どおりだった。
原作は桜坂洋の小説である。
すごいタイトルだが、見れば「なるほど」と思える。
桜坂氏は、RPGで負けたプレイヤーのネット日記に着想を得て、ゲームの中の物語ではなく、
ゲームをしている「あなた」を主人公にする作品を思いついたという。
ゲームの中では何度でも死んで、リセットできる。
SFの世界でもタイムループで何度でも生き返ることができるのだが…。
ある意味、定番的な物語である。
主人公ケイジ(トム・クルーズ)は、本人の意思に反して、過酷な戦場の最前線に送り込まれる。
そんな不運、逆境の中で、少しずつ成長していく。
ダメダメなトム・クルーズも、今作の見所の1つだろう!(笑)
そして、美しい伝説の兵士リタ(エミリー・ブラント)との運命的な出会い。
SF映画に精通している人にとっては、目新しさはないのかもしれないが、
個人的にはとても新鮮で大いに楽しかった。
何度も殺され、何度も同じシーンが繰り返され、一瞬、退屈しそうになるが、
演出のうまさ、そしてユーモアセンスで飽きさせない。
「死んでリセットできたら」と思ったことのある人は、きっと少なくないだろう。
勿論、そんなことは不可能なので、仕方なく現実と折り合いをつけて生きているわけだが、
もし実際にできたらどうなるのか、という興味を今作では追体験することができる。
「それはそれで結構大変だな」というのが僕の率直な感想。
「銀河鉄道999」を見たときも思ったが、永遠の命があれば幸せになれるわけではなく、
限りある命、一度きりの人生だからこそ、味わい深いものなのであって、
そのことに思い至れば、「今」を生き抜く力にもなる、と思う。
DATA
アメリカ映画/2014年/113分/スコープサイズ/ドルビーアトモス+ドルビーサラウンド7.1
監督・製作総指揮(ダグ・ライマン)/原作(桜坂洋)/
脚本(クリストファー・マッカリ−、ジェズ&ジョン=ヘンリー・バターワース)/
製作(アーウィン・ストフ他)/音楽(クリストフ・ベック)/
出演(トム・クルーズ、エミリー・ブラント、ビル・パクストン、ブレンダン・グリーソン)/
字幕(戸田奈津子)
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