2019
cineMa
top5
1 アラジン(米国) ARADDIN
2 翔んで埼玉(日本)
3 男はつらいよ/おかえり寅さん(日本)
4 グリーンブック(米国)
5 スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(米国)  
 今年も、というか、これを書いてるのが2020年3月だから、昨年の話ではあるのだが、相変わらず二足の草鞋生活が続いているため、なかなか映画館に行けず、目標の年間100本にも遠く及ばなかった。新作はたったの10本、DVDが61本で合計71本だ。しかし、それなりに収穫はあった。2018年の「カメラを止めるな!」に似たサプライズは、「翔んで埼玉」だった。原作が魔夜峰尾ということで、普通ではないものを期待したが、期待を上回る面白さだった。それとは逆に、最大のがっがり賞は、「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」。世の中の評価はまずまずなのだが、個人的には物足りなかった。40年に渡る壮大なドラマの本当の終わりということで、期待しないわけにはいかなかった。それなりにいろいろ詰め込んで総仕上げ感はあったのだが、サプライズを期待してしまうと拍子抜けは否めない。父親はアレという結末には、驚くより、呆れてしまった。対照的だったのは、ディズニーアニメの実写版「アラジン」と50作目となる「男はつらいよ/おかえり寅さん」の2本だった。いずれも究極の王道ストーリーなので、特段のサプライズも意外性もないが、それはそれで十分に楽しめる娯楽作品に仕上がっていた。また、ベスト5中最も地味ながら、なかなか充実した作品だったのが「グリーンブック」。黒人差別問題という重いテーマではあるが、差別を乗り越えていく友情の美しさは感動的だった。選外では、新海監督の「天気の子」もあった。前作、「君の名は。」に比べると、魅力半減という印象。絵はキレイだったし、興行収入的にも大成功だったのだが、個人的にはさほど面白さを感じなかった。むしろ、「ルパン三世/カリオストロの城」の方が遙かに面白かった。もう4〜5回観ているにもかかわらずである。公開40周年を記念したシネマコンサートて観たのだが、すべてのカット、台詞が魅力的で、改めて宮崎駿の情熱と才能に感嘆してしまった。

 DVDの方は、まだ観ぬ名作探しの旅という趣である。2019年は、とりわけ古い邦画をよく観た。中でもベスト1は、市川雷蔵主演の時代劇「濡れ髪牡丹」(61)だった。レンタルDVDで観たあとでDVDを買ってしまうほど気に入ってしまった。ヒロインは京マチコである。ツンツンした気の強さと時折みせる可愛らしさに「ツンデレ」の原点をみたような気がした。このあと京マチコ作品をいくつか観た。中でも一番よかったのは、オムニバス映画「女経」である。増岡保造、市川崑、吉村公三郎という三大監督がそれぞれ若尾文子、山本富士子、京マチ子をヒロインとして、男と女の妖しい関係を描いていく。昭和35年の作品だから当然だが、風景も走っている車も男女のありようもすべてが昭和という時代らしさに溢れていて、否が応でも少年期を過ごした昭和に引き戻される。子供の目で見ていた大人の世界を、今は大人の視点でみる面白さは、なんともいえぬ楽しさがあった。昭和は、紛れもない「男社会」である。完全に男が威張っている。男尊女卑も甚だしい。しかし、女性は立場が弱いだけで、本質的には強い。強く、したたかで、魅力的なのである。つい先日みた「万引き家族」は現代の話ではあるが、なんとなく昭和感が漂っていた。だからなのか、リリー・フランキーよりも安藤サクラの方が強いのである!ダメ男が見栄で威張るより、強い女性に任せておけばいいと思う。男らしさ、女らしさも勿論いいが、その人らしさを追求していくことこそが大事であり、人生の醍醐味ではないかと、昭和、平成、令和の映画を見比べながら、ふと思ってみたりしている。