キムラ緑子と大谷亮介によるDolly&Tanny、結成15年である。来日公演という体なので、オープニングのMCは英語で始まる。これはこれで面白いのだが、話す方も聴く方も日本語の方が楽なので、途中から日本語になる。そこから夫婦漫才のような立て板に水のごとき怒濤のトークと往年のジャズスタンダート、に似た迷曲の数々で、爆笑と感動の渦に包み込まれる。他では味わえない絶妙なひととき。コロナ前にも一度観たことはあったが、今回は、前回よりさらにパワーアップしていたように感じた。ドリーさんの艶やかさも印象的だった。61歳!見えない見えない、とってもキュート。お二人の歌声にもシビれてしまった。役者ならではの寸劇みたいなシーンも盛りだくさんで、ノンストップ・エンターテイメントである。これを1日2公演やるなんて、もの凄いバイタリティである。うん、やっぱり実際に観ないとこの面白さは伝えようがない。問答無用の面白さだった。何かの曲間に、前の方に座っている観客に声をかける場面があった。「ちょっとここに来て隣に座ってよ」とドリーさんが声をかける。声をかけてもらったたぶん男性客は、まあ、そういうフリなんだろうと思ってニヤニヤしていたのだろう。少しずつドリーさんのテンションがあがってくる。「早う来てや」。そのうちさらに大きな声で「何してはんの、早う来て言うてるやん!」と言われて、お客さんがすごすごと席を立とうとして、慌ててドリーさんが制止した。「嘘やん、ごめんなさい」と謝っていた(笑)。いや、確かに演技の熱量がすごいので、本気かと思ってしまう(汗;)。今回も家族で行く予定だったが、子供が行けなくなったので、義弟を誘った。彼はライブ観賞自体が初めてだったそうだが、とても楽しかったと喜んでくれた。気に入ってもらえてよかったけど、こんなライブは日本全国を探しても滅多に観れないんじゃないかと思う…(汗;)。

Member
赤石香喜(Pf)、東野ひろあき(AG)、進藤洋樹(EG)、藤崎卓也(Per)、佐藤孝紀(B)、河野俊二(Dr)、コーラス:ダイナマイトしゃかりきサ~カス(ゆうき、KWAIN、たろう)。

♪Dolly&Tanny
~Summer Concert 2023 ひさしぶりやんかいさ!いやほんまに~

博品館劇場
2023年7月29日(土)14:00-16:00/C列13番