少年と海
 
 
 
 
 息子と5度目の夏を迎え、今年もまた、自転車に乗って、鎌倉の海へと繰り出した。
 子供は海が大好きである。海もまたそれに応えるように、子供と一緒に遊ぶ。
 押しては曳いてゆくさざ波が、子供を自然の学校へといざなう。親は子を守り育てる義務があるとは思う。しかし、すべてを教えられるわけではない。何も言わない自然の方がずっと雄弁であったりする。
 今年の夏、海に立つ息子のシルエットが、いつの間にか幼児から少年へと変わっていることに気付いた…。