海へ
 
 
 
「あの水平線のその向こうはどうなっているんだろう?」
波打ち際から大海原を見ていた少年は、
いつか少年であったことを想う。
 
遙か遠くの大人という存在になってしまった人は、
大いなる期待が海の砂粒のように、
甘い夢が海の潮風のように、
果てしない希望が海の水泡のように、
変わっていることを知る。
 
いつかの少年と向き合って生きる。
そんな覚悟が必要になってきた。