「たこあげ」
 
2003年元日。朝寝坊して外に出てみると、小雪がパラついている。
「東京で元日の雪は、40数年ぶり」とニュースが報じていた。
昼過ぎてからは風が吹いた。
雲流れ、冷たい風の向こうに青い空が顔を出した。
その風に身を任せるように凧糸を繰り出していく。
風の動きを手探りするように、糸を出したり巻いたり、
「まるで釣りのようだな」など呑気なことを思いながら新年が過ぎてゆく。
それにしても、首が疲れた。