「暑中見舞申上」
 
自転車で炎天下、海まで走る。
ひたいの汗が粒のまま乾く。
青い空を、風に煽られて雲が泳ぐ。
その下で子供らが泳ぐ、そばに立つ俺。
ビキニが波間に揺れて眩しい。
あの夏が終わって久しい。
何やってんだろう?
あの男と女、親と子供、人間と犬。
世界中が熱射病になりそうな夏、俺、あなたに、
どうぞ、暑中お見舞い申し上げます。