「畑に水をまく農夫」
 
 
僕らは毎日毎日、食べている。
ベジタリアンは毎日野菜を食べている。
牛肉を食べる人は、その牛が毎日草を食べている。
野菜も草も1粒の種に水と二酸化炭素と太陽が加わって生まれたものだ。
無から有が生まれるくらいのダイナミックスな営みだ。
「職業に貴賤なし」とはいうものの、
他に、これほどの仕事を知らない。
地球の資源を掘り出して売ったり、その資源をモノに加工して売ったり、
あるいは情報という無形物を売ったり、
またはお金を貸すだけで何も売らない仕事もあったりするが、
全く新たに「生命維持物質」を生み出す農業ほどの醍醐味はない。
世界がどうなろうと、
僕らは明日も、野菜や牛肉を食べるだろう。
たぶん生きていれば、その次の日も、きっと食べるだろう。
ならば、感謝しよう。
「畑に水をまく農夫」に感謝をしましょう。