鎮魂
 
 
 
哀しいことが多すぎるのだ。
良識も良心も感じられない出来事が、繰り返し起こる。
現実。
誘拐されて9年間も監禁されたその少女の青春。
雑踏に踏みつけられて亡くなったその幼女の人生。
教室に侵入してきた大人に背後から刺されて逝った子。
理不尽極まりないのだ。
大人の人間の責任なのだ。
毎日毎日、新聞を開くたびに、哀しみを丸めて心にしまう。
人間はときに、美しい花火のようだ。
真ん中にある温もりは、やがてしぼんでポトンと落ちる。
真実。
そのときまで、少しでも長く、命が続いてほしい。